帰宅困難者になるとはいえ、各人の行動範囲はバラバラで帰宅経路も変わってきます。ですので、行政から配布された物や、市販の防災マップの情報だけでは不足する事が考えられ、自分なりカスタマイズしていく必要があります。
危険箇所と一口に言っても様々で、地盤の勾配や海抜、道路のマンホール、高圧線の有無、家屋を囲むブロック塀、老朽化が進んだ建築物周辺、高圧ガスや危険物を取り扱う事業所、増水によって氾濫の恐れがある河川、狭い通路、交通量の多い道路、以前から事故が多発している地帯、山の斜面や崖など落盤・落石・土砂崩れの可能性がある地域、ガラスを多用した店舗や商店街・・・
正直、危険箇所を数えだしたらキリがありません。しかし、前もって認識しておく事で通行の際に注意を払っておける分、事故に巻き込まれる危険性を低減する事が出来ます。
ビル街だと窓枠が歪み、窓ガラスが割れて地面へ高速で落下しますのでビルから退去する場合は通路確保の工夫が必要となるでしょう。窓ガラスは硬いコンクリート製の地面に衝突した際、ガラスが跳弾を起こして周囲へ被害を拡大させます。
老朽化したビルではガラスの他、外壁や室内の天井建材までもが剥がれて被害を及ぼします。地震が起きるたびに建築基準法が改正されていますが、それまでに施工・完成した建物は現在の耐震基準以下のままの場合が多々あります。
もし、帰宅を急ぐ為に一斉帰宅を開始して道路や歩道へ帰宅困難者で埋め尽くされている状態で余震が発生、ガラスが落ちてきても回避行動が取れないまま窓ガラスが直撃する事態も充分に考えられます。
テナントビルに入居している場合は、自社オフィス内だけでなくビル自体の防災体制にも目を向けて、消火施設や避難経路の確認しておき、もし避難経路上に障害物があれば早急に除去を行っておかないとビルからの脱出の妨げになってしまいます。
ビルによっては窓ガラスや外壁の落下した際に1階天井・2階床面の高さに落下物を受け止めるパネル(ひさし状の物)の設置を進めている所もあります。
ビルだけで無く、住宅によっては重い陶器で出来た瓦が使用されており、例え2階の屋根(高さ5〜6m)から落ちても致命傷になるほど強烈な衝撃を与えます。一般的な瓦は1枚で1〜3kgありますから、小型の鉄アレイ並になります。
特に築年数が何十年にもなってくると、瓦と瓦を止めておくための土(土葺工法)が経年劣化により瓦がズレ落ちやすくなって余震でも落下の危険性がつきまとい、民家で囲まれた狭い通路は危険地帯へと化してしまいます。
近代住宅は陶器製の瓦は殆ど使用されておらず、スレート瓦(カラーベスト等)と呼ばれる耐候性に優れた5mmほどの建材で葺いていますので、住宅が押しつぶされたり、落下の危険性は大幅に低減しています。
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